メンタル面で強くなるために

ゴルフの上達に必要な要素は、何でしょうか?よく心・技・体、三位一体という言葉を耳にします。

 

まずは、技術の習得、それから身体能力も当然関係してきますね。そして心構え。私は長年、多くの生徒さんにまっすぐに打つにはどうすればいいか、遠くに飛ばすにはどうすればいいか、ラフや斜面から打ち出すにはどうすればいいか、などお話してきました。

その中で、さらによいレッスンを目指して自分の技術を高め、教えるテクニックに磨きをかけるために、20年ほど前からアメリカのデイブ・ペルツ・スコアリング・ゴルフスクールやバード・ゴルフアカデミーに通うようになり、その過程で、今は亡き私のメンター、ケアリー・マンフォードと出会いました。ケアリーは、ゴルフゲームの中で自信をもってスウィングできる心の保ち方を教えてくれました。

 

それ以来、ゴルフコースでショットをする時の不安や迷いがなくなり、その結果、ゴルフゲームを楽しむことが出来るようになりました。プロならみんな知っている、メンタル強化。今ではケアリーから教わったことをいろいろな形で少しづつ生徒の皆さんにお伝えしていますが、深く探っていくにつれて、まだまだ足りないという思いが強くなってきました。

 

そこで、さらにメンタル・トレーニングに関する勉強をするために、二年前から放送大学で心理学の講義を受講しています。この分野を極めるにはまだ先は長いのですが、この度第一段階を終了した旨の認証状を頂きました。


これからはレッスンでもっとメンタルの強化に関する話を皆さんにできると思うと、楽しみです。

マンフォード氏に聞くメンタル面強化の必要性

1. ゴルフにおけるメンタル面のトレーニングは、なぜ必要なんでしょうか?

 

 私たちの心と言うのは常に、どうやって自分を成功に導くかを理解しているか、もしくは、理解できなくて邪魔をするか、のどちらかです。心と体を分離することはできません。心は我々の行動や態度の指令室ですが、体の動きは何かを行うための兵士です。

 この二つが一緒になった時、上手く考えうまく行動するように訓練された、威風堂々とした侍のように振る舞うことができるようになります。

 

2. メンタル面での訓練が足りないと、どのようなことが起こるのでしょうか?

 

 「メンタル面で強い」と言うのは、その人が生まれながらにして持っている力に従って、仕事や遊びをすることです。自分と他人を比較して、自分自身の強さを測ることはできません。一人として全く同じ人はいませんが、人間である、という点では皆同じです。従ってそれぞれの人の自覚(意識)は、その人特有の人生の価値感を認識し受け入れるところから始まります。

 あなたと全く同じ人はいませんし、人があなたより上だったり下だったりすることもありません。以上の点から、メンタル面の訓練が足りないと、無意味に他人と競争しようとしたり、他人の行動に対して自分の行動を合わせようとするなど、自分を見失った行動をとるようになってしまいます。

 

3. メンタル面での失敗でゲームに負けた、実際の例はありますか? 

 

 2012年のマスターズを見た人は、あのフィル・ミケルソンの例が印象に残っているのではないでしょうか。彼は最終ラウンドの途中まで非常にうまく回っていましたが、たった一打の荒れたティーショットの結果、3打の損害を被りました。

 全ての悪いショットの源は自分の思考から発しており、「悪い思考」は最高の技術や身につけたものを阻害するのです。フィルは2打差で勝てませんでした。トリプル・ボギーでなくパーで上がりさえすれば、グリーンジャケットを手に入れることができたのです。

 

4. 私達は、どのようにすればメンタル面をトレーニングできるのでしょうか?

 

自分をメンタルにトレーニングするには、はじめに、人間の人生や経験の限界の範囲で、正当で信頼のおける原理に基づいて構築された現実というものに、自分の意識を集中することです。おとぎ話、幻想、願望、人生の道すがら、あちこちで集めてきた様々な概念などに頼ると、メンタル面での強化はできません。正当で信頼のおける考え方を進んで取り入れている指導者を見つけることが大切です。

ケアリー・マンフォード氏紹介


ケアリー・マンフォードは米国内の沢山のプロ達と、指導・教育において協力体制に有り、ゴルフスクールではメンタル・ゲームの指導に当たっている。最近では、Bird Golf Schools のゲーム強化ディレクターとしても指導を実施。彼はまた、フロリダ、テネシー、ノースキャロライナ、モンタナのPGAジュニアスクール、Eastern Kentucky, Tennessee Tech, Brevard Community College, West Point, Louisville, VanderbiltMiamiのカレッジゴルフのプログラムで指導を行うとともに、その他様々な学校のコーチやプレーヤーの個別指導も実践しています。

全米トップゴルフ指導者100人にリストされているMichael Hebron ("The Art and Zen of Learning Golf"), Phil Ritson ("Golf Your Way")は彼らの著書、"The Art and Zen of Learning Golf" "Golf Your Way"の中で、幅広くケアリーの知識を活用し、 John Andrisani ("Think Like Tiger") Mel Sole ("Golf Step-By-Step")もそれぞれの著書で彼の言葉を引用している。さらに彼の研究は、"The Encyclopedia of Golf"というタイトルのRitsonの4番目のテープに収録され、全米の Phil Ritson/Mel Sole Golf Schoolsにおけるメンタルゲームの指導の核をなしている。これらの意味から、ゴルフのメンタルトレーニングの最高の指導者のひとりといっても過言ではないだろう。

 Golf Magazine の1990年のメンタルゲームに関する特集版では、米国内のゴルフ心理学者トップ12人に名前が挙げられ、1992年6月19日号のGolf World Magazine では、プロレポートで2ページを割いて彼の二冊目の著書「The Double Connexion」を紹介。また、2000年版Annual Guide for Junior Golf - "The Game for Life" でも、彼の業績について言及していることから、プロゴルファーからの信頼も厚い。

 

ケアリーの三冊の著書、GOLF'S BEST KEPT SECRET, THE DOUBLE CONNEXION, THE PUTTING BOOKは、「自分の中でゲームをプレーする」事について述べており、プレーヤーが練習場からコースへと心理的障害の無い状態で自然に移行することができるよう、メンタル面と肉体的な技術を統合しバランスを取るのに不可欠な自然の法則について解説している。